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こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店代表の岡村です。今回は、恐怖症とそれに対する**認知行動療法(CBT)**のアプローチについて詳しくお話しします。恐怖症は、日常生活に大きな支障を与えることがあり、その影響を受ける方にとっては非常に困難な状態です。しかし、CBTは恐怖症の症状を軽減し、生活の質を向上させるために広く効果的な改善法として認められています。

恐怖症とは?

恐怖症とは、特定の状況や対象に対して異常なまでの恐怖や不安を感じる障害です。これらの恐怖は、その対象や状況に直面したとき、あるいはそれに関連するものを思い浮かべただけでも激しい不安を引き起こします。恐怖症には以下のような種類があります。

これらの恐怖症は、個々の生活に大きな影響を与えるだけでなく、回避行動を強化する結果にもなりがちです。そのため、恐怖症の改善には、恐怖に向き合い、適切に対処する方法を学ぶことが重要です。

認知行動療法(CBT)によるアプローチ

認知行動療法(CBT)は、恐怖症に対する科学的に立証された改善法です。CBTでは、恐怖症の引き金となる不安や恐怖を認識し、その根底にある考え方や行動を変えることを目指します。具体的には、以下の3つの主要な技法が効果的に用いられます。

1. 曝露療法

曝露療法は、恐怖症改善の中核的な技法の一つです。曝露療法では、恐怖症の方が恐怖の対象や状況に対して徐々に慣れていくことを目指します。これは「恐怖に向き合う」ことを段階的に進めるもので、本人が少しずつ自分の不安や恐怖に挑戦し、最終的にそれに対して適応できるようになります。

例えば、高所恐怖症の場合、最初は高い場所の写真や映像を見ることから始め、次に低い場所に実際に行き、最終的にはより高い場所に挑戦します。この段階的なアプローチを通じて、恐怖の対象に慣れ、不安感が徐々に減少することが期待されます。

社交不安障害に対しても同様に、例えば他者と会話をする場面を段階的に練習し、徐々にその状況に慣れることで恐怖心を和らげることが可能です。曝露療法では、本人が自分のペースで恐怖に向き合うことが重要であり、あくまで無理のない範囲で段階的に進めていきます。

2. 認知再構成

認知再構成は、恐怖症における非現実的な考え方を修正するための技法です。恐怖症の方は、恐怖の対象や状況に対してしばしば不合理な考え方を持つことがあります。例えば、飛行機が墜落する可能性が極端に高いと信じてしまう場合や、他者に自分が不安に見られてしまうことを過度に恐れる場合などです。

このような不安を引き起こす考えを現実的な視点から見直し、より適切な認識を持てるようにサポートします。例えば、飛行機の墜落確率を現実的に考慮し、そのリスクが実際には非常に低いことを学習することが重要です。また、社交不安に対しては、他者が自分をどれほど細かく観察しているかを現実的に捉えることが目指されます。

このプロセスを通じて、本人は自分の恐怖が実際にはどれほど不合理であるかを認識し、次第にその恐怖感をコントロールできるようになっていきます。

3. リラクゼーション法

恐怖症に対処する際に、身体的な反応も重要な要素です。特に恐怖に直面すると、心拍数が上がったり、呼吸が速くなったり、筋肉が緊張することがよくあります。リラクゼーション法は、これらの身体的な反応をコントロールするための技法です。

具体的には、深呼吸筋弛緩法などが用いられます。深呼吸は、呼吸をゆっくりと整えることで不安感を和らげる効果があります。一方、筋弛緩法は、体の筋肉を段階的に緩めることでリラックスを促し、恐怖に対する身体の反応を落ち着かせることができます。

まとめ

恐怖症に対する認知行動療法は、恐怖の対象に向き合う力を養い、日常生活への支障を軽減するための強力なツールです。認知行動療法カウンセリングセンターでは、恐怖症に悩む方に対して専門的なサポートを提供しています。興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店

https://okinawa.cbt-mental.co.jp/

——筆者情報——

岡村優希

株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役

認知行動療法カウンセリングセンター代表

公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士

個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。

さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。

◆執筆書籍

「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版

「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房

◆テレビ出演

読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日

「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演

◆雑誌掲載

「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号

◆近年の講演実績

2024年2月21日

広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師

2023年2月9日

NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師

2022年7月6日

筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師

その他、学会発表多数

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