2024年09月23日
- 認知行動療法
強迫症改善のための認知行動療法カウンセリング
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店代表の岡村です。本日は、強迫症(強迫性障害:OCD)への認知行動療法(CBT)についてご紹介します。強迫症は、繰り返される強迫的な考えや行動に苦しむ症状で、日常生活に大きな影響を与えることがあります。早期の対処が症状の悪化を防ぎ、改善にも繋がります。ぜひ最後までご覧ください。
強迫症とは?
強迫症は、頭の中で繰り返される強い不安や疑念(強迫観念)と、それに対処するための行動(強迫行為)が特徴です。例えば、「手が汚れているかもしれない」という不安から、何度も手を洗うことが強迫行為として現れます。このような行動は一時的に不安を和らげるものの、時間が経つとさらに不安を呼び起こし、強迫行為を繰り返す悪循環を生み出します。
強迫症の主な症状
- 汚染への不安と清潔行為の過剰さ
- 手や物が汚れているという恐怖から、繰り返し手を洗ったり、消毒する行動が続きます。
- 確認行為
- ドアのロックや電化製品のスイッチを何度も確認しなければ安心できない状態が見られます。
- 秩序や対称性への執着
- 物がきちんと整っていないと不安を感じ、完璧に配置するために何度も整える行為を繰り返します。
- 不道徳な考えや暴力的なイメージに対する恐怖
- 実際には行動に移すことはなくとも、頭の中で不快な考えが浮かび、それに対する対処行動を繰り返します。
認知行動療法(CBT)による強迫症の改善方法
認知行動療法(CBT)は、強迫症における不安と行動の悪循環を断ち切るための効果的な改善法です。以下に、主なアプローチをご紹介します。
1. 曝露反応妨害法(ERP)
強迫症に最も効果的な方法の一つが**曝露反応妨害法(ERP)**です。これは、強迫観念が引き起こす不安にあえて直面し、その不安を和らげるための強迫行為を行わないようにする方法です。例えば、手を洗いたいという衝動に対して、手を洗わずに不安に立ち向かうことを徐々に練習します。この方法により、不安が徐々に弱まり、強迫行為が減少していきます。
2. 認知再構成法
認知再構成法では、強迫観念に伴う考え方を柔軟にするサポートを行います。たとえば、「手を洗わないと重大な病気になる」という考え方を、現実に基づいたより合理的な思考に置き換えるように助けます。このようにして、不安に過度に反応せず、冷静に状況を見つめる力を養います。
3. 不安管理スキルの習得
強迫症では、不安をうまく管理することが重要です。不安管理スキルには、深呼吸やリラクゼーション法、マインドフルネスなどが含まれます。こうしたスキルを使うことで、強迫的な衝動に駆られたときにも冷静に対処できるようになり、不安をコントロールする力をつけることができます。
4. 再発予防プラン
強迫症の改善が進んだ後でも、再発のリスクはゼロではありません。そのため、再発予防プランを立てることが重要です。再発しやすい状況やトリガーをあらかじめ特定し、それに対処する方法を準備しておくことで、症状の再発を未然に防ぐことができます。
家族や友人のサポート
強迫症の改善には、周囲のサポートも欠かせません。家族や友人が適切な理解とサポートを提供することで、改善効果が高まります。強迫行為に対して過度に介入するのではなく、本人が不安に立ち向かう時間を見守り、励ますことが大切です。サポートの姿勢が、本人の回復を促進します。
まとめ
強迫症は、日常生活に大きな影響を与えることが多いですが、認知行動療法(CBT)を通じて改善していただけます。ERPや認知再構成法などにより、強迫症状をコントロールし、日常生活の質を向上させることが期待できます。認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店では、個別に最適な改善プランをご提案し、強迫症でお悩みの方をサポートします。もし、強迫症の症状でお悩みの方がいらっしゃれば、ぜひご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店
https://okinawa.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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