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こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店代表の岡村です。
今回は「盗癖(クレプトマニア)」について、その原因やカウンセリング方法、特に認知行動療法(CBT)のアプローチについて詳しく解説します。

盗癖とは?

盗癖、またはクレプトマニアとは、必要のない物を盗むことへの強い衝動を抑えられない精神的な疾患です。この行為は物質的な必要性や金銭的な動機に基づくものではなく、衝動的に行われることが特徴です。盗癖を持つ人は、盗む行為に伴うスリルや一時的な解放感を求め、繰り返し盗みを行うことがあります。

盗癖の発症は一般的に青年期に多いですが、成人になってからも続くケースが少なくありません。行為の後には強い罪悪感や後悔を感じることもありますが、自分ではその行動を制御できないため、社会生活に深刻な影響を与えることがあります。

盗癖の原因

盗癖の原因は一概に断定することはできませんが、複数の要因が絡んでいるとされています。主な要因には以下が挙げられます。

盗癖に対する認知行動療法(CBT)

盗癖のカウンセリングにおいて、認知行動療法(CBT)は効果的なアプローチとして注目されています。CBTは、相談者の思考や行動のパターンに働きかけ、盗みの衝動をコントロールするためのスキルを習得するカウンセリング法です。

1. 認知の再構築

盗癖を持つ人は、「一度盗んでしまったらもう止められない」といった誤った信念を持つことが多いです。CBTではこれらの認知を修正し、再検討します。

2. 衝動コントロールの訓練

盗む衝動を抑えるためのスキルを学びます。深呼吸やリラクゼーション法、自己対話を通じて衝動を冷静に抑える方法を練習します。

3. 行動の代替策を探す

ストレスや不安を感じたときに、運動や趣味など盗み以外で感情を処理する代替行動を見つけます。

4. 再発予防(リラプス・プリベンション)

盗癖は再発するリスクが高い疾患です。そのため、再発を防ぐためのリラプス・プリベンション(再発予防)プログラムを組み込んでいます。具体的には、再び衝動を感じたときの対処法をあらかじめ学び、リスクの高い状況を特定・回避する方法を身につけます。例えば、衝動が高まりやすい環境や感情を特定し、それに対応するための具体的な行動計画を立てます。また、定期的なカウンセリングを通じて、進捗を確認し、必要に応じてプランを修正することが重要です。

薬物療法との併用

場合によっては、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が併用されることもありますが、薬物療法だけでは根本的な解決には至りません。CBTと併用することで、より効果的な支援を提供します。

まとめ

盗癖は深刻な影響を与える疾患ですが、認知行動療法(CBT)を通じて盗みの衝動をコントロールし、再発を防ぐことが可能です。盗癖で悩んでいる方は、ぜひ専門家に相談し、適切な支援を受けることを検討してください。

認知行動療法カウンセリングセンターでは、盗癖を含む衝動制御障害に対するカウンセリングを提供しています。どうぞお気軽にご相談ください。

認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店

https://okinawa.cbt-mental.co.jp/

——筆者情報——

岡村優希

株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役

認知行動療法カウンセリングセンター代表

公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士

個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。

さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。

◆執筆書籍

「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版

「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房

◆テレビ出演

読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日

「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演

◆雑誌掲載

「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号

◆近年の講演実績

2024年2月21日

広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師

2023年2月9日

NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師

2022年7月6日

筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師

その他、学会発表多数

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